スイフトスポーツ

About

スズキの小型車「スイフト」のスポーツバージョン。

じゃあ「スイフトRS」はどうなんだ、という話があるが、近年のスズキでは「スポーツグレードには例外なく『RS』」というルールがあるとかないとか。

「アルトターボRS」の存在もそのルールのためだとか、そうじゃないとか。

つまるところ、「ワークス」や「スポーツ」はスズキ内でも別格のスポーツマインドを持つクルマ、ということになる。
なお3代目(スズキ的には2代目)以降は「スイフト」と「スイフトスポーツ」は別車種という扱いである。

1000ccを積むようなボディサイズに1500ccやら1600ccという大排気量(笑)エンジンを積む、ある意味古典的なスポーツモデル。
しかしスイフトは着飾ってもスイフトなので、作りは軽自動車の延長線上であることに留意しておこう。

……ところが、スイフト系は総じて小回りが利かない。
初代のHT81Sの最小回転半径はGC8インプレッサと変わらないという有様である。

「軽自動車と変わらんやろwww」とか思って乗ると痛い目に遭う。


「若いヤツが乗ってるクルマ」というイメージが強いせいか、

車間距離をとって走っているだけでトラックに煽られ、
挙げ句の果てには警察官の眼の前で怒鳴られる
など

乗ってて百害あって三利くらいしかない
(意見には個人差があります)


貴重なテンロクスポーツだったが、ZC33Sデビューにより1600ccモデルは消滅。

日本最後のテンロクスポーツはノートニスモとかいう、ふざけているとしか思えない現実がそこにはある。

このページでは主にHT81S、ZC31Sについて記述する。

初代 HT81S

海外では「イグニススポーツ」の名で売られた。

ベースの初代スイフト(イグニス)がHN系Keiのパーツを大幅に流用して作られたインスタント普通車の為、「デッKei」などと揶揄される。

車重は歴代スイフトスポーツとしては最軽量。
とはいえ一番重いZC31Sと比べても100キロも変わらず、エンジンは1500ccでシャシダイにかけると100馬力出てない、背の高い格好と戦闘力は微妙。
セッティング次第ではかなりのコーナリングマシンになるそうだが…?

JWRCでも活躍したが、3ドアボディを使った前期型では苦戦。
本来の性能を発揮したのは(ホモロゲの穴を突いて?)シボレークルーズみたいな5ドアボディの改良型になってかららしい。

サスペンションはフロントがストラット、リアはスズキお得意の3リンクリジッドアクスル
…らしいのだが、Wikipediaにはトーションビーム(要検証)と記載されている。

少なくとも写真を見る限りはどう見てもリジッドアクスルである。



スズキの歴史から消されかけているクルマである(後述)
海外名だった「イグニス」も現在は別車種が乗っ取っている。
スイフトオーナーズミーティングに行ってもHT系はダートラ、ラリー仕様くらいしか見かけない気がする。

「スポーツ」は3ドア5速マニュアルのみのラインナップと硬派。

2代目 ZC31S

現在のスズキ的には、この「ZC,ZD系」の始祖であるこの世代を「初代スイフト」としている。
無慈悲な歴史修正主義である。
そのため雑誌等にもZC31Sが初代と表記されており、「誤植かな?」と思うかもしれないが、大マジメに言っているのだ。

ミッションは5速マニュアルと4速トルコンオートマ。日本仕様は5ドアのみの設定。

リアサスはベースのスイフトを含めリジットアクスルからトーションビーム方式に変わった。車高が変わってもラテラルロッドの心配をする必要がないぞ。

このZC31Sからエンジンは1600ccのM16Aとなり、車重も増加。この世代が一番重い(1060kg)。


頑張れば一般道で20km/Lを叩き出す燃費オバケだったりする。




JWRCの「スーパー1600」仕様のイメージも強いが、エンジンがめちゃくちゃ高回転型だったり、リアサスがトレーリングアームになってたり、

要するにスイフトの皮を被ったナニかである。



余談だが、ダートラ会場で「ZC31Sに乗ってました」と言うと
「あー、すぐドラシャ折れるよね~」「ドラシャ折れやすいと噂の…」
などと返される確率が非常に高い。ダートラ界隈では常識らしい。

LSDを組んだりした場合は気をつけましょう。


1型→2型の主な改良点

・レッドゾーン引き上げ(6700→7000)、それに伴うレブリミット引き上げとバルブスプリング強化
・ギア比改良、5速クロス(大嘘)から1-2速のみクロスの街道ゼロヨン仕様(?)へ
・シフトノブが差込式からネジ式になり、社外品が使いやすくなる
・横滑り防止装置(ESP)装備

2007年5月のマイナーチェンジ以降のものは2型である。
外見上の違いはドアミラーにウインカーが有るか無いかくらい。有る方が2型以降。

マイナーチェンジ後は1型ユーザーがめちゃくちゃ後悔するほど出来が良くなっていたそうな。

1型は「回らない」「ギア比合わない」等不満点が多く不人気だが、ESPがないので練習向き。
2型に乗るなら、競技時はESPキャンセルを忘れないように。どうせなら全カットしてしまえ


なお、1型の差込式シフトノブは対応する社外品がなかったが、
HA36SアルトワークスやJB64Wジムニーが今更になって同様の形状の差込式を採用。
ワークス向けに発売されたモンスタースポーツ製シフトノブがそのまま使用できる。

36ワークス用の純正流用もできるぞ。

チューニング(?)について

純正タイヤサイズは195/50R16。
15インチホイールも問題なく使用できるので、スタッドレスはインチダウンしよう。185/60R15がおすすめ。


シビックやミラージュ等のテンロクスポーツと比較すると、HT81Sよりは改善したとは言えやっぱり腰高。
純正シートは見た目に反して驚くほどホールドしないので、フルバケは必須。
シートレールはE型トルクスのボルトで固定されているのだが、リア側はどう頑張ってもトルクスのソケットが入らない。
まぁ8mmだかのメガネレンチでも問題なく回せるので気にしなくても良い。
運転席左側にアイボルトを取り付けるとセンターコンソールと干渉するので、躊躇なく外してしまおう。

内装のツメなどは思いの外簡単に割れて使えなくなるので注意。

リアシートは座面と背もたれが分離しない構造。
ISO-FIXというチャイルドシート用汎用ステーが付いており、これに4点の肩ベルトを固定することもできるっちゃあできる。
すごく重いので、付け外しは複数人でやらないとボディにステーをぶつけて悲しいことに。
そのかわり、リアシートを外すとかなり身軽になる。


ハンドリングはディーラーマン曰く「歴代スイフトの中では一番アンダーが出ない」「雪でも言うことを聞く」との評価。
そのかわりテールハッピー。唐突にドーンとケツが出る。
リアタワーバー装着と前後車高セッティングでかなり改善する。
また、マツダMPV純正スタビリンク(品番LC70-34-170)が流用可能。純正と比べて少し長い。ローダウンしても安心ですね。

フロントはキャンバーボルトとかピロアッパーとかでキャンバー角が調整できるのだが、
リアにキャンバーをつけるにはトーションバーとアップライトの間に
「キャンバーシム」とか「キャンバーアダプタ」などと呼ばれるアレを挟み込むしか方法はない。
スポーツ走行やチューニングベース車としてはポピュラーな車なので、パーツは豊富にラインナップされているので安心されたし。
(これを書いてる人はキャンバー調整なんかしたことないんだけどね!)

ABSをカットしようとしてヒューズを抜くと、エンジンチェックランプが点灯する。あー面倒くせぇ。
スピードメーターが突然ピクリとも動かなくなる時もあるが、放っておくと治る。

電子スロットルなので、レスポンスに少し難あり。
むき出しタイプのエアクリ(零1000チャンバーとか)にすると、気持ちのいい吸気音がする。

マフラーはリアピース直管くらいならさほどうるさくならない。
が、リアシートを外していると車内にやたらと排気音が響いて会話できなくなる。

エンジンパワーには期待しないこと。
特にホンダのタイプR系とは比較にもならない。一瞬でバックミラーから消される運命なのだ。
1500のフィットにすら負けるかもしれない。所詮は街乗りエンジンなのだ、と自分に言い聞かせよう。

ガソリンスタンドでは、店員に必ず「レギュラーですよね?」と決めつけられる。
フルサービスのスタンドはもちろん、群サイ近くのセルフでも勝手にレギュラーを設定されかけた。
勇気を出してはっきりと、それでいてキレ気味で「ハイオクです」と伝えよう。


フォグランプ取付部はバンパーと一体の部品に見えるが、実は別部品。
フロントタイヤハウスに枝とかを巻き込むとあっさり断線するので、フォグを使わないなら引っこ抜いてダクト穴にでもしてしまおう。
フォグ取付部とサイドステップは、基本的にはガンメタだが特別仕様車はボディ同色。
正直、通常仕様のガンメタのほうがかっこいいと思う。


3代目 ZC32S

スズキ史観では2代目。
全長は長くなっているが、先代と重量はほぼ変わらない(1050kg)

エンジンは先代と同じM16Aだが、かなり構造が変わっていて、出力も改善している。
……はずなのだが、「ベストモータリング」でフィットRSに惨敗したのはあまりにも有名。
MT車は6速。ZC31Sへの流用は不可。
AT車はCVTになったが、微妙に不評らしい。

コーナリングはかなり安定志向で弱アンダーなんだとか。

少し長いZC31S用純正スタビリンクが流用可能。ローダウンしても安心ですね。

ちなみにESPはスイッチでカットできるが、EBDはカット不可。

4代目 ZC33S

スズキ史観では(ry

今の時代に新車が200万円以内で手に入るのは立派だが、それでもZC31Sと比較すると30万円も値上がりしている。

ボディが70キロ近く軽くなったが、ワイドボディになり「スポーツ」は3ナンバー。
……というよりは「欧州仕様車と同等のサイズを与えられた」と言ったほうがいいのだろうか。
(ノーマル日本仕様スイフトは5ナンバーサイズに収まるように、幅が狭くなっている。)

またエンジンは1400ccのK14C直噴ターボエンジンに変更された。ファッキンダウンサイジング。
その特性は極めて低速重視らしい。

カタログでは最高出力140馬力だが、モンスタースポーツで計測したところ155馬力も出ていたらしい。

「スイスポは非力」というイメージを覆す存在になるかもしれない。

実際発進加速の3000回転くらいまでは、2.2LのCL1ユーロRと同じくらいの体感。それより上は比較しちゃいけないが。



そのかわりモータースポーツでは2リッター以上クラスに分類されるので、お山の大将でもやるか、駆動方式でクラス分けするダートラに転向しましょう。



リバースノブの形状が災いして社外品シフトノブが使いにくいとの噂

  • 最終更新:2019-12-13 10:29:57

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